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「秋刀魚の味」など4作をデジタル修復=小津安二郎監督生誕110年で松竹

秋刀魚の味」など4作をデジタル修復=小津安二郎監督生誕110年で松竹

 

映画「東京物語」などを手掛けた小津安二郎監督(松竹提供)

 映画「晩春」「東京物語」などを手掛けた小津安二郎監督(1903-63年)の生誕110年および没後50年に当たる今年、監督を顕彰する記念プロジェクトが実施される。松竹が10日、発表した。小津作品のうち、遺作となった「秋刀魚の味」などカラー4作品のデジタル修復が行われるのが、プロジェクトの大きな目玉だ。

 小津監督は、家族や親子の姿を描く秀作を数多く残し、ローアングルから撮影した独特の映像表現でも知られる。監督作品のうち、「東京物語」は昨年、英国映画協会機関誌が10年に一度実施する「世界映画史上ベスト作品」で、世界各国の映画監督の投票により1位に選ばれるなど、世界的な評価も高い。
 今回、デジタル修復されるのは「彼岸花」「お早よう」「秋日和」「秋刀魚の味」で、東京国立近代美術館フィルムセンターと共同で行われる。このうち「秋刀魚の味」は15日から始まるフランス・カンヌ国際映画祭で、「彼岸花」は8月開幕のイタリア・ベネチア国際映画祭でそれぞれプレミア上映される。秋以降、ブルーレイディスクが順次発売される予定だ。

カンヌ国際映画祭で上映される「秋刀魚の味」のポスター=監督/小津安二郎 (C)1962 松竹

 このほか、11月から来年1月までの間、東京・神保町シアターで4作品のデジタル修復版を含む小津監督の全作品が上映されるなど、各地で特集上映や記念イベントが開催される。
 松竹の迫本淳一社長は「独自の世界を築いた小津監督の映画を見詰め直し、偉大な足跡を多くの人々に発信したい」と強調。小津作品のプロデューサーを務めた山内静夫さんは「小津作品には温かく、柔らかな『風』が流れている。それを感じ取って、心温まる気持ちになってもらえたらありがたい」と期待を込めた。(2013/05/10-17:33)